本日の様子 12/24



常連のH氏にコラムを寄せて頂きました。いつもありがとうございます。

『あるコイの物語』
川魚が苦手という人は多い。もちろん、食べる話である。特有の泥臭さがその理由である。小生も同様であった。


何度目かの外国出張でタイに行く機会があった。
トムヤムクンのような辛くて、酸っぱいスープや激辛カレーを初めて口にした。刺激がきつすぎると感じたこれらの料理も、食べ慣れると病み付きになる味であった。

ある時、大きなライギョを丸ごとスープで煮込んだ料理が出された。恐る恐る口に入れると、川魚特有の泥臭さが全くない。ナマズの煮つけを食べる機会もあったが、これも泥臭さは全くなかった。


料理に使われている種々のスパイスが川魚の泥臭さを消し去っているようであった。
他の東南アジアの国々でも同様であった。今更ながら、豊かな食生活の知恵に感じ入った。
職場に来ている東南アジアの人達の話を聞いたところ、海の魚よりも川魚の方が遥かに美味いとのこと。
なるほどと納得してしまった。


ここで、話は変わる。

高崎市を流れる烏川はコイの魚影が極めて濃い。漁協が放流事業に力を入れているためである。
支流の井野川にも、コイは上ってくる。

産卵期になると大きなコイが数匹から、20〜30匹の群をつくり、岸近くでバシャバシャと水しぶきを立てる様は壮観であった。産卵が終わると川は、また、いつもの静けさに戻った。


井野川は小生の職場の直ぐ裏を流れていた。昼休みになると川に沿ったサイクリングロードに多くの仲間たちがジョギングに出て行った。

走ることが苦手な小生は散歩やサイクリングで間に合わせた。途中で、気が向くと川を覗き込んだりして道草を食った。


それは6月のことであった。いつものように川を覗きに行くと大きなコイが2匹、幅3〜4メートルの細い分流に泳いでいるのを見つけた。餌を探して一定の範囲を回遊しているようであった。

次の日も、その次の日もそのコイたちは同じ場所を回遊していた。マレーシアから職場に来ていた若い男性研究員が、コイが食べたいと言っていたのを、ふと思い出した。スーパーに行けば海の魚は簡単に手に入る。

しかし、新鮮な川魚は簡単には手に入らない。そこで何とかこのコイを釣り上げてプレゼントしようと考えた。


小生は、そのころコイ釣りに凝っていた。通っていたのは、いつも、烏川の本流であった。
リールを付けた3本の竿で吸い込み釣り仕掛けを投げ込み、気長に当たりを待つ。当たりがあるまでに2時間も、3時間も待つことがあった。

30cm以下の小さなコイは時々釣れたが、40〜50cm以上のコイは、滅多に釣れるものではなかった。


今回は極めて細い川での釣りなので、リール竿ではやめて、長さ3間の太いコイ竿を使うことにした。
糸は6号の通し、餌はコイ用の練り餌を硬めに捏ねて、小さな団子にして付けた。

これが小説やドラマであれば、「雨の日も、風の日も通いつづけ、ようやく大物を手にする」というストーリー展開になるところである。
しかし、結果はあっけないほど簡単に出てしまった。


仕掛けを振り込んで10分も経たないうちに、浮きがゆっくりと沈みこんだ。合わせると竿先が強く引き込まれた。コイだ!


岸と水面とは50cmほどの段差があった。不覚にもタモ網を持ってくるのを忘れてしまったが、6号の糸ならば何とか持つと考え、思い切って、後ずさりしながら、岸にずり上げるようにして抜きあげた。

すぐに、残る一匹も釣り上げようと仕掛けを振り込み、しばらく粘ったが、そこは利口なコイのこと、仲間が釣り上げられた直ぐ後で、釣れる筈はなかった。
二匹目のドジョウならぬコイはいなかったのである。


家に帰ってサイズを測ると65cmあった。丸々と肥えた見事なコイであった。

あれから、も30年近く過ぎた。あのとき釣り上げられなかったもう一匹のコイは今どうしているだろうか。


釣り人を初めとする天敵(小生もその一人であった)が多い厳しい大自然の中で、無事に生き残り、井野川の主にでもなっているだろうか。

2009年12月24日(木) 08:58
本日の様子 12/23
本日は、寒さも緩んで魚の活性も上がるかなと思ったのですが?
なんかイマイチのようでした。
暮れからお正月にかけて桜鱒を放流します。










2009年12月23日(水) 14:59
本日の様子 12/15



常連のH氏にコラムを寄せて頂きました。いつもありがとうございます。

『フライの味』

最近、食べ物をテーマとしたテレビ番組がやたらに多い。

不景気が続く昨今、ドラマなどに較べて制作費が少なくて済むこのような番組が増えるのは当然のことなのであろう。

大食いコンテストの番組が盛んに放映されたときには、食料不足の時代に生まれ育った小生などはいつも腹立たしい思いをしたものであるが、さすがに最近は下火になった。


全国の珍味を紹介するような企画は良いとしても、食べ物の深い味など、分かりそうにもない若い売れっ子のタレントが高級料理などを紹介する番組はいただけない。

番組の性格上、月並みな味しかしない料理でも、それを絶賛せざるを得ず、何といったらよいか、口に出す言葉に四苦八苦しているようである。

グルメを自称する人達がよく使った「まったりとした」というような表現は最近ではあまり聞かれなくなったが、「○○の香りがふわ〜っと口いっぱいに広がって」などという通り一遍の表現は未だに健在である。

「美味しい〜!!とか、美味い!!とか言うだけでは味が視聴者に伝わらない。」と番組製作担当ディレクターに注意されるためかどうか分からないが、奇をてらうあまり、
意味不明な言葉を発したり、表現の言葉を使い尽くしてしまったのか、無言で店のオーナーに握手を求めたりするような過剰演出の古参タレントもいて、これなどは滑稽にさえ見える。


味覚というのは極めて個人差が大きいようである。トマトやシイタケが嫌いという人は意外と多いが、中にはスイカやメロンが駄目という人もいる。また、熟れた柿の食感が苦手という人も沢山いるようである。

先日、5〜6歳になる裏の男の子が妹と一緒に遊びにきた。キャラメルをあげたところ、男の子は口に入れると直ぐに吐き出してしまったそうである。
小生は不在であったが、女房の話によると、何でもキャラメルの柔らかい食感が駄目なのだそうである。


さて、前置きはこれくらいにして、本題に入るとしよう。
表題を見て、イカのリングフライやアジフライを思い浮かべた方は、余程お腹が空いているか、釣りキチ度が低い方であろう。

勿論、ここでいうフライは鳥の羽や獣の毛、あるいは合成繊維などで偽造したフック付きの虫状の物体である。

これを味わうのは、マスたち。材料の関係から、食欲をそそるような香りや、甘い、辛いなどの狭い意味での味など、ある筈がなく、専ら、硬い、柔らかい、もちもちしたなどの食感が問題となる。


キャストしたフライを素早く引いて誘う釣法では、マスがフライを咥えた瞬間に針がかりしてしまうことが多いため、フライの食感はあまり問題にならない。
マスがフライを口にしている時間が長い釣法、特に、マーカーを使用する釣法ではフライの食感が極めて重要となる。

マーカーに鮮明な当たりが出るためには、マスたちに、できるだけ長くフライを咥えていてもらわなければならない。

細身のフックに獣毛などを薄くドレッシングしたフライにマーカーを付け、ここ、赤城ffの浅場に沈めてみる。
水が澄んでいるので、マス達の動きは手に取るように分かる。時々、沈んでいるフライに近づいては咥える。フライはよく見えなくても、心持白っぽい口を、ぱくりと開けるのが見える。合わせを我慢して、そのまま観察してみる。

咥えるなり、直ぐに吐き出すマス。うぶなマスは数回、もぐもぐやってからペッと吐き出す。
中には運悪く針先が口中に刺さり、あせって吐き出そうとするマスもいる。こんな場合でも、大抵は数回パクパクやっているうちに外れる。
また、咥えたフライを吐き出すや否やすごい勢いで遁走するものもいる。何度も痛い目を見た、すれっからしのマスなのであろう。


マスが咥えたフライを直ぐに吐き出すのは、おそらく、フックの先が口中でちくちくするなどの違和感があるためであろう。

これを防ぐためには、針先が若干内側を向いたフックを用いるか、極小のフック、あるいはマラブーなどの材料を厚くドレッシングするなどの工夫が必要であろう。

赤城ffの常連でマーカー釣りの名人にY氏がいる。使用するのは専ら厚めにドレッシングしたフライである。
氏によれば、最初は良く釣れるフライでも、数匹釣るうちに針先が曲がって外側を向いてくる。
こうなると、急に釣れなくなってしまうという。恐らく、フライの食感が悪くなってしまうためであろう。


マーカー釣りは餌釣りと同じだといって嫌う釣り人もいる。しかし、本物の餌と違い、口に入れても直ぐに偽物と見破られる可能性が高い。
マーカーに出る当たりの多くは、餌釣りの場合よりも遥かにデリケートである。
餌釣り以上にタイミング良い合わせができない限り、魚は釣れない。小生も、最近、マーカー釣りの面白さが、少しばかり分かってきたような気がする。

かくして、マーカー好きな釣り人はフライの食感を良くするべく、日夜、工夫に励むのである。









2009年12月15日(火) 08:33

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